遠藤さん

確か2003年10月FBMに参加した時です、会場でクラブの方で東京にお住まいの遠藤さんに声を掛けられ、車を見ながら話をしていたて、「もし良かったら、車持って行きますから所々凹んでいるし、錆も直し、色換えで全塗装したい。」という事でした。後で聞いた話によると、ちょっと前に(全塗装)したパンダが一週間ぐらいしてから錆が出てきて、相当がっかりされたみたいで、キャトルを直すにあたって、何処か信頼の出来る店はないかと検討されたが良いところが無く、どうせ任せるなら、キャトルのことちゃんと解っている所に、と、私に 職人としてこの世界で仕事をしていて、嬉しい限りです。 そんな経緯で12月の初めに自走で岐阜まで来て頂きました。
板金
問題の錆びている部分、キャトルに良く見られる症状でもある。ほかっておくとフェンダーだけで済まなくなるので注意!この部分に錆が出たらフェンダーを外さないとちゃんとした処理は出来ない。
フェンダーの隙間の錆、まず水の進入経路を探す。怪しいと思われるシーリング・アンダーコートは剥しやり直す黒く見える部分がそうです。キャトルの場合ほとんどがフェンダーを止めている3本のボルト穴から水が浸入錆を発生させている。
まずは板金作業から入る表に出ている錆は、リヤフェンダーの隙間ぐらいで、手間はそんなに掛からないと初めは思われた。
板金の為の足付けをしていてなんか変?保管状況は良く解らないが、塗料の表面がカサカサになっていて、普通に足付けをするだけだと、後で塗料の剥がれを起こす可能性があるの鉄板の表面を出さずに防錆処理を出来るだけ剥さないようぎりぎりの所まで塗装を剥していく。
大きな板金箇所はこの右ドアぐらいです一度直されたらしいのですが、ちゃんと直っていないのでやり直して下さいという事です。
マスキングに入る。ドアなどの窓枠は樹脂で出来ており、その枠も硬化してカサカサになっていてマスキングテープがなかなか着かないので、手間を考えると外した方が早いので、ガラス類は外す。
室内は塗らないのでなるべく目立たないところ(エッジ)で切り替える。
遠藤さんのボンネットは雪の落下でかなり凹んでいて、たまたま会社に保管してあったボンネットを使うことにした。状態の良いものでした。
いつも通りしっかりエアブローしてから、密着ロン(プライマー)を塗ってウレタンサフを塗る。その後シンナー多めのラッカー黒をバラ吹き。その状態で足付け黒が残らず出来れば面が出ている事になる。

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塗装
塗装中、今回も他の仕事の都合で塗装は違う人間に任せる。いつも同じ人だが、キャトルなら私と変わらないぐらい塗っている。
その点塗装に関しては私より壷を心得ていると思われる。年下だが私の塗装の師匠でもある。
ボンネットは別で塗っています。
塗装終了、マスキングも剥す、ずっと見てると、違いが解らなくなってくる、それぐらい色のトーンが似ている室内に入っても色の違いに気が付かない位、でも確実に違うのですが。
置き場所に困るのでボンネットも乗っけました。
良い色です、塗料が乾いたら、磨きからまた私が最後まで担当します。
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完成・組み付け
ボンネットは別で塗る、面積が広いので付けたままだと、埃が載り易いので、吊るした状態で立てて塗る。
磨きの工程です。マスキングテープは磨いているときにプレスラインのエッジを削ってしまわないように、ビニールの養生はコンパウンドが飛び散るので・・・
ボンネットの写りこみも綺麗に出ていて、至福の時間です。多少予定外に手間は掛かりましたが、仕事の内容としては、普通の全塗装です時間的には2週間でした。
遠藤さんのキャトルのメッキバンパー・メッキミラーなどは元々付いていたもので、特別な改造とかはやってません。
今回の仕事で使った部品と言えばこのウインカーレンズぐらいだったと思います。
正直この状態が何年保てるかが心配です、05年のFBMで約2年ぶりに対面。心配されたコンディションも良くてホッとしました。勿論遠藤さんの日頃の手入も有りますが。
会社の横で、私のキャトルと2ショット。前が遠藤さん、オリジナルは私のキャトル(3号)と同じ色でした。色は日産フィガロなどに使われているベージュです。ご本人いわく、ベージュマニアらしいです。
一通り組み上がったところです、予定には無かったのですが、ボディ綺麗にしたらホイルがいかにもみすぼらしくて。急遽塗りました。
こうして仕上がった車を見ているといつも思います、10年後のコンディションはどうなっているんだろう?
勿論嬉のですが、仕事でキャトルいじっていると(学生が事業中に早弁しているような感じで)なんかコソコソしてしまう変な感じです列記とした仕事です。

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