ルノーキャトル・プレネールをご存知でしょうか?フランス後で「空気がいっぱい」を表す言葉をつけられたルノーキャトルのビーチカーです。Club RENAULT4 JAPONでは2台存在してますが、世界的にも珍しい稀少な車なのです。日本語の資料も少ないのでわからないことも多かったのですが、今回、拙者が外国の資料を調べてみたのでご紹介します。1968年3月14日にジュネーヴ・モーターショーで発表され、同年5月(シトロエン・メアリの販売と同月)から1970年5月生産終了。製造期間自体は約1年、その生産台数は非常に少ないものでした。製作は袈装メーカーSINPAR(シンパー)が請け負っている。後継車種とされるロデオ(ACLが1969年から開発に着手、後にティヨールなどが生産した。1987年頃まで生産されており、キャトルがベースであるが、サンクがベースになっているものやフェイスが14のものもある。エンジンも種類が多く、車両の形態も多くの種類があった。大枠でロデオ4、5、6と分かれる。プレネールを開発したも生産に関わったらしい。)が1970年に発表されていることから、ロデオの先行試作車ではないか、と言われています。5CVと表記されるのは、845ccのエンジン(30馬力を発生する。)を使っているための税制上の表記です。ちなみに初期型のR4で747ccのエンジンを積むものは4CVと呼ばれていました。この5CVのエンジンを積んだ仕様はExportと呼ばれ、主に輸出仕様でした。これがプレネールのベースになったのです。最高時速は105km/hと110km/hの記述がありますが、カタログ上の表記は110km/hになっています。また、燃費は100kmに5.5Lのガソリンが必要との記述があります。1968年にキャトルは中期型グリルにチェンジしたため、プレネールには中期型グリルが装着されています。内装は1967年に一新されており、1983年までこの形で続いたのでTLと同じ内装になっています。ボディーカラーは白と黄色が標準とされているが緑・オレンジも現存するらしい。世界中で残っているシンパー製プレネールは20台程度確認されており、中でも実走可能な固体は10台ほどと言われその2台が日本で現存しています。
今回の調査で最も時間がかかったのは、1968年当時の価格設定です。記録には
プレネールが8,990フランで、メアリが6,996フランとあります。キャトル4×4Sinper(四輪駆動)が10,810フランで、ノーマルのキャトルの価格は5,780フラン、Exportが6,480フランだったと考えると、プレネールがいかに高いグレードだったかがわかります。
PECIFICATIONS
Body Size :3660×1480×1549mm
Wheelbase :2400mm
Weight :660kg
Engine :水冷直列4気筒OHV
Capacity :846cc
Power :34ps/4700rpm
Torque :5.9kg-m/2500rpm
Suspension (F) :Wウィッシュボーン
      (R) :トレーリングアーム
Brake (F&R) :ドラム
Tyre (F&R) :135R13 


RENAULT 4 PLEIN−AIR (R1123−5CV)
1968年3月にジュネーヴ・モーターショーで発表(シトロエン・メアリと同月)、1970年4月まで販売されたとされる。製造期間自体は約1年と言われ、その生産台数は非常に少ない。販売期間が短いのは、シートベルトが装着されていなかったため、安全性を考慮するようになったルノーがカタログから落とさざるをえなかったとも言われている。
後継車種とされるロデオ(ACLが1969年から開発に着手、後にティヨールなどが生産した。1987年頃まで生産されており、キャトルがベースであるが、サンクがベースになっているものやフェイスが14のものもある。エンジンも種類が多く、車両の形態も多くの種類があった。大枠でロデオ4、5、6と分かれる。プレネールを開発したシンパーも生産に関わったらしい。)が1970年に発表されていることから、ロデオの先行試作車ではないか、と言われている。
5CVと表記されるのは、845ccエンジン(30馬力を発生する。)を使っているための税制上の表記である。ちなみに初期型のR4で747ccのエンジンを積むものは4CVと呼ばれた。
この5CVのエンジンを積んだ仕様はExportと呼ばれ、主に輸出仕様であった。これがプレネールのベースになった。
最高時速は105km/hとも110km/hとも言われているが、カタログ上の表記は110km/hになっている。燃費は100kmに5.5Lのガソリンが必要との表記がされている。
1968年にキャトルは中期型グリルにチェンジしたため、プレネールには中期型グリルが装着されている。内装は1967年に一新されており、1983年までこの形で続いた。
1968年当時の価格は8,990フランで、メアリが6,996フラン、キャトル4×4Sinper(四輪駆動)が10,810フランだったと言われている。なお、ノーマルのキャトルの価格は5,780フラン、Exportが6,480フランであった。
1968年当時、外貨為替レートは固定相場制から変動相場制へ転換する直前であり、大変流動的で不安定な時期であったといえる。そのため、日本円に正確に換算するのは困難であるが、資料を見ると1968年当時は1フラン≒72.9円。その後1969年にフランは12%の切り下げを行い、1971年にはスミソニアン協定により固定相場制が崩壊し、1フラン≒64.8円となっている。
以上のことを考慮して、1フラン≒70円と計算する。そうするとプレネールの価格は8,990フラン×70円=629,300円、メアリは489,720円となる。
また、1968年当時の日本の大卒初任給平均が29,100円、トヨタ・スプリンターが487,000円〜587,000円であった。同じく、2005年の日本の大卒初任給平均が196,300円、トヨタ・カローラ(スプリンターが廃止されているため)1500ccが136万〜182万である。比較すると給与は約6.75倍、車両の価格は約3倍に上がっていることがわかる。
給与水準で単純計算すると、プレネールの価格は629,300円×6.75=4,247,775円となるが、車両の価格で計算すると629,300円×3=1,887,900円となる。
1968年当時の外国為替相場の不安定ぶり、車というものに対する人々の意識の差を考慮してみると、プレネールの価格は、現在で言う300〜350万円程度ではないかと推察できる。
この高価格と製造台数の少なさから販売店に試乗車が出回らず、販売面は思わしくなかった。
プレネールを製作したのはSINPAR(シンパーもしくはサンパールと呼ばれる袈裟メーカーのひとつ。四輪駆動の製作メーカーとして知られ、キャトルのピックアップも生産したと言われる。軍用車両の開発にも関わっていた。)であるが、複数の袈裟メーカーが生産に関与していたとも言われている。詳細は不明である。1970年の販売終了後、ノーマルのキャトルを改造できるようなキットや12V仕様やイギリス向けの右ハンドル仕様も販売されていたらしい。
カラーは白、黄色が基本色であるが、緑、オレンジもあったと言われている。
プレネールはシトロエン・メアリと比較されることが多いが、ABSサーモプラスチック製のボディをまとい、基本的に2座(商用車扱いとなり、税金が安かったため)でピックアップトラックのような使い方も農耕用の仕様にもできたメアリとは全く違う、レジャービークル専用の車と言える。メアリと比較対象とすべきは後のルノーロデオであろう。
キャトルのラインナップの中でも非常に特殊なモデルであり、車両データは別として公式の記録はあまり残されていない。現存台数はシンパー製で10台程度と言われているが、詳細は不明である。プレネールは大いに知られているモデルであるが、生産台数や生産過程等も不明な点が多く、最も謎
が多いモデルと言える。

※この概要は筆者の個人的推測が含まれたものであり、文章の読み違い等の可能性があることをご了承ください。

文章・構成/石垣氏