発症
入院
リハビリ
現状
発症・半年
入学
発症・1年
帰郷
もう2年・まだ2年
3度目の春
うまくはかないもの
不信感
12/1手術後経過も順調、リハビリ(機能回復)は、お世辞にも(自分の中では)順調とは言えません。目論見が外れたという意味です。入院直後から、過去の症例に照らし合わせると梗塞の大きさからして自立歩行は厳しいと言われていた状況からすれば、左足に装具を付けているとはいえ杖を付いて移動しています、急ぐ時は車椅子で移動、時間に余裕があれば、病院内なら歩いて出かけました。でもこの頃から理学療法に対する不信感が大きくなりました。リハビリを頑張れば頑張るほど、右足の股関節・左肩の痛みが日に日に増して行くので、相談したら、痛み止めの薬を処方された・・・。答えはそれかよ!!

自分なりに分析すると、理学療法士の先生がやってくれるストレッチというか運動は一部を除いて問題無いと思うのですが、大変熱心にやっていただきました、誤解の無いよう。よくリハビリの光景にありがちな機械を使ったトレーニング。(自転車をこぐような)マシン・トレーニングジムによく置いてあるやつです。左足は横から見て多少前には出せるが引くことはできません、膝から下といえば膝を立てた状態から伸ばす事はできても後ろに蹴ることはできません。これが現状です、その状態の体でこの運動はどれだけの意味があったのか。左足は踏み込みが弱いので、ペダルの上に足を載せていられないからベルトで固定。これで本当に良いのか?聞いても適切な・納得のいく返答は返ってこない。

ニューステップと呼ばれるパワーリハビリマシン、両足で左右のペダルを交互に踏み込みそれに連動するように伸びた左右のレバーを引き寄せる「右・左・右・左」みたいな感じで。これを頑張ると必ず股関節が痛くなる、確かに不自然ではある。左半身はほとんど動いていないのだから、左足はペダルの上に置いてありますが、腕はレバーを掴めないので体の前に置いてあります。結局9割以上は右半身だけで動かしているようなもの、当たり前で右半身に負担がかかる、左右連動しているので左足・左手が踏めなくても・押せなくても右手で動きをカバーしてやればなんとかなる、これがまずかった。体をねじるような・ひねる様な不自然な動きだった、でもこれも良くなる為とおかしいと思いながら頑張っていた。来る日も来る日も同じメニューの繰り返しで進展はしないどころか痛みが増す痛み止めを飲む・湿布を貼る。痛みが出るようでしたら少し控えて下さい。?「それって答えになってないでしょ」


12月24日 退院

12月半ば過ぎ「もう退院しても良いですよ」と婦長さんから声をかけられました、年末を控え多くの患者さんが退院していきます。(入れ替え時期?)術後の経過は順調で問題無く,治療的なものもありません。退院しろと言われても左腕はまるで動かないし、どうするんだせめてもう少し見通しが付くまでなんとかならないか・・・と思いましたが、病院は療養所じゃないから治療が必要ない患者を、何時までも置いておく訳にもいかない、このことに自覚がありませんでした。

表現が正しいかどうか解りません、「
脳梗塞という病気はもう治っているが、後遺症として障害が残った。障害者であって病人じゃない。!」 このまま帰ってもまたリハビリに通うんだろうし、この状態じゃ仕事に戻るどころか日常生活もままならない。そんな状況の中で放り出されるようで不安だったのは確かだ。でもお父さんはそんな事言ってられない。1994・12/24クリスマスイブ107日間の入院生活も終わる。子供達にクリスマスプレゼントになったかどうか?『お世話になった先生方、看護師さん有難うございました。』よく言われる事ですが、入院中、ましてや人生を左右するような大病、一言一言に落胆したり、勇気付けられたり改めて一つの言葉の重みというものを感じました。

多くの方にお見舞いに来て頂きました、中でも驚きはキャトルクラブのレスポンスの良さ。
入院3日目にICUまで県内の川嵜さんに見舞って頂きました、関西からは宮口さん・藤井さん、東京から谷垣さん・高麗さん・遠藤さん、中部地区の皆さん。本当に有難うございました、大変勇気付けられました。

2005

年が明けて短い正月休みも終わり、退院後の初めての外来としてリハビリに通い始める、週に2・3回、10日ほどしたある日リハビリ室で、知らないおじさんに声をかけられた。私のやっているリハビリのメニューや体の動きを見て解ったのだろう、

『脳梗塞の患者の体の動きには独特のパターン』があって、筋肉は動かしていないと収縮・拘縮していく、だから麻痺側の腕はくの字に縮む手首も指も握った状態から戻らない。足は外旋といって普通に振り出せないのでぶん回すように足を出す私の場合は左側によって歩いていると、左側の壁や置いてあるベッドなんか蹴飛ばしていました、一度なんか看護婦さんの足を蹴飛ばしました。
「失礼ですが脳梗塞ですか?」- 「そうです」・「何か?」-「そんな事やってても良くならないよ」- 「エッ?」- 「良いところ教えてあげるから騙されたと思って一度行ってみな」って言うんです。50代半ばの男性です、

聞けばこの方も数年前脳梗塞でこの同じ病院に入院されリハビリをされていたらしいです、思ったように良くならず、その時一人の先生と出会ったそうです。話だけだからよく解りませんが
【劇的に回復したそうで】私もこの先どうしようと悩んでた時でした、運命的なものを感じました。その日のその時間にリハビリ行かなかったら、その男性のことは知らずそんな話も聞けなかったでしょう。
場所を聞いて早速次の日に奥さんと不二人で出向きました、矛盾していますが、今まで一生懸命治療してくれた先生を裏切るようで気が引けました。

診療所

山間部にある高齢化の進む小さな村の。谷間に挟まれた僻地の診療所です、「エッエ〜」ここで良いの?。
が どんな治療なんだろうドキドキでした。診察を受け、リハビリにカルテを回してもらう、リハビリといっても部屋じゃなくオープンでリハビリベッドが6台ほどあり、ざっと見た感じリハビリを待っている患者さんは、8割ぐらい高齢者が占めています。不思議だったのはリハビリ器具を使用している人がいない事


希望2005・1/13

理学療法士の先生は2人で頑張っています。一時間ほどして呼ばれリハビリベッドの上に、一通り今左肩が痛いとか今までの経緯などを説明。体の様子を見て仰向けに寝た状態で「骨盤の左右高さ違いますね」正常な右側にかなり負担がかかっている証拠らしい拍子抜けでした「バキバキ」とか荒療治みたいな事をするのかと思ったら、ひたすら筋肉を伸ばすようなマッサージ、それも1時間以上かけてじっくり。
「起きて下さい」不思議な事に肩の痛みは無くなっていました「すげ〜えっ」驚きはそれだけでは有りませんでした。ベッドに腰掛けた状態から「立ってみて下さい」「?立てない事はありません」それから先生が「杖無しで歩いてみましょう」「エッ?」それまでも家の中のでは杖無しでゆっくりとですが・・・「大丈夫です私が横にいますから」「一歩目は右から出してください」?【通常リハビリの常識ではでは、良いほうの足を軸にして麻痺側の足から出す】。恐る恐る一歩目を出す、「何か全然今までとは感覚が違う」初めのうちはゆっくりだったが、今までじゃ考えられないような安定感で、「徐々にスピードを上げてみましょう」並走して先生も歩いているのですが手は貸しません。「歩いてる!」狐につままれているようでした、実際指示どおりに動かすとスピードが上がります。何が起こっているのか理解ができませんでした、「5ヶ月ぶりに自分の足でまともに歩きました。勿論感動も大きかったのですが、それより、
「なんで歩けるの?」という疑問(不思議)の方が大きかったのは事実です。俄然やる気が涌いてきました。
 治療方針として装具はつけないで下さい。体のバランスが崩れますから・・・・。

せっかくいい所が見つかったのに、そんな診療所も2006.3月一杯で4月から行われた『医療法』改正のあおりを受け外来を打ち切りました。この時点まではゆっくりとですが確実に回復していきました、閉鎖前までに少しですが手首も動くようになり回復を楽しみにしていたのですが、残念でなりません。国はいったい何をしてるのか?どこを見てるのか?しわ寄せはいつも弱いもののところ・・・・